第3回公開授業報告


 

  1. 日   時 : 平成16年12月17日(金)第5限目(13:20-14:10) 視聴覚教室
     

  2. 授   業 : 世界史 「遣唐使 〜東アジアの中で考える」
     

  3. 指導教諭: 笹川 裕史先生(大阪教育大学付属高等学校天王寺校舎)
     

  4. 研究協議

    (1)出席者
        山田 時比古(大教大附属天王寺,司会) ,斉木 英範(北千里高,記録),笹川 裕史(大教大附天王寺),
        松本 透(大阪府教育委員会),石原 功(八尾高),中山 ゆかり(桜塚高定),仲谷 和泰(東住吉高),
        栗宗 保輝(港南高),坪田 浩行(英真学園高),町矢 清隆(箕面自由学園高),山下 宏明(園芸高),
        松本 徹(大正高),岡田 知之(大冠高),福田 雅夫(鶴見商高),堀川 喜子(渋谷高),内海 弘子(東豊中高),
        伊藤 賢一(中央高),巽 圭(岸和田高),竹部 嘉一(八尾翠翔高),田中 清隆(柏原東高),若松 宏英(登美丘),
        辰巳 敏之(MEF),佐竹(MEF)


    (2)コンテンツの開発について
        笹川:
            ・PCを使い出して1年あまり,パワーポイントははじめて。
            ・古代東アジアでは文献資料が多い,図や地図を見るだけでは不十分。
                サポートのMEFから字は見えないとの指摘があった。
            ・当初の計画より,枚数やアニメーションの設定を減らした。

        山田:MEFの支援について補足説明を
        MEF辰巳:パワーポイントの基本機能のみで作成,写真図はスキャン。
            ・MEFとの打ち合わせや作業に10時間以上+教材づくり。
            ・授業中の技術的トラブルを避けたいという点を重視。
        質疑
            ・普段の授業はどのようなものか。
            ・全体に質問。PCの授業をしたことのある先生は→数人
            ・共有化によってファイルを共有できる方向に。

    (3)授業の展開について
        @ 授業の内容に関して
            ・カリキュラムと指導計画についての質疑応答。
            ・遣唐使の回数に関しての質疑応答。
            ・遣唐使が中国の册封関係の問題に広がっていった。
            ・授業内容はおもしろく引き込まれた。濃い授業だった。勤務校の生徒の実態からは2〜3時間分くらい。
            ・授業プリントを使った感想のフィードバックについての質問。

        A パワーポイントを使った展開について
            ・以前は見せたいモノをたくさん見せていたが,今は5枚程度,せいぜい10枚の写真を使う。質問などの確認として,
              HP へのアクセスもしている。
            ・PC利用では,発問への答えが予想した展開と違う場合の授業の組み立てがしんどくなるのでは。
                笹川:発問は苦手。生徒から「白村江」の言葉が出てきたのでうまくいった。
            ・「授業は生もの」という点で臨機応変さが難しい,今日も時間に厳しくなった。
            ・時々やれば,生徒も教員も刺激になる。
            ・暗くて補足事項が書けない。
            ・生徒は,歴史認識が深まったというより,おもしろかったという感じか。授業中に活動する場がないといけない。
                →山田:過去の公開授業の例からみても,やはり生徒の学習活動が大切。
                           何をメモすればよいのかが,わかりにくい面への工夫も必要。
            ・効果的であった。日本史でも活用できる。
            ・図や絵を見せるのには有効。文字史料は難しい。
            ・生徒の実態にもよるが,自分の勤務校の生徒は喜びそう。やってみたい。
            ・パワーポイントで,「世界の巨大建築」「三国志」について実践したことがあるが,音が出なかった苦い経験がある。
            ・民間のプレゼンは導入,本当に検討するときは資料。
            ・生徒が下を向いていて,新しいページに気づかないことがあったようだ,何か工夫はないか。
                →MEF:効果音は授業の緊張感がとぎれる恐れもある
               →山田:生徒の作品は効果がいっぱい。しだいに中身で勝負するようになる。
                   途中で,2つか3つ,音を入れる程度でいい。
            ・ビデオやOHPと比較して,(授業展開の)柔軟性はどうか。
            ・教材をつくってゆく時間が気になるが,4〜5枚の写真を使うぐらいならできる。
            ・パワーポイントの授業をはじめて見た。勤務校の生徒の実態から,いちいち指示をすることが多いので,
             流れをつくっておいて使うのは難しい。資料や写真を示すような使い方ならできる。
            ・パワーポイントとは何かも知らなかった。授業で写真を回しているので,それに変わる形でできそう。
            ・生徒の意見を知りたい。
            ・画像ソフトでそのまま見せる方法などを教えて欲しい。
                →Irfanview」 (イルファンビューという、フリーの使いやすい画像表示ソフトがある。ディレクトリ内の画像を
                    スペースバー等を押すことにより次々と表示してくれる。サイズも小さく,インストールも不要で,フロッピーに入
                    れて、持ち運びできる。ある程度の画像加工機能も備えており,リサイズや明るさ等の補正も可能である。唯一
                    の欠点をあげるとすれば、あまりにも便利であるので,他のPhotoShop等の本格的な画像処理ソフトがいつま
                    で経っても使えないようになってしまう。

    (4)教育情報共有化をめざして
        @ 共有化委員会の取り組み
            ・社会科研究会のHP(http://www.oh-syaken.com/)の利用を
            ・教育情報の共有化の取り組み
                画像コンテンツ,授業計画やシラバス,テストなど。
            ・講習会の計画
            画像を取り込んでプリント化する方法
            ・日本史の取り組み 講演のデジタルアーカイブ化と共有化
            ・2月5日(土)のシンポジウム(於,千里国立民族学博物館)

        A MEFより
            ・まだ古いタイプの先生が多い…ワープロレベルで教材をつくっている
            ・技術面で教えて欲しいとの希望が多い

        B 現場より
            ・むしろ,現場の条件整備が遅れている
            ・実際は,全段としてのアナログ的な面が問題
                たとえば,興味づけなどの教材選定や機器管理者との人間関係など
            ・ハウツー面での工夫などを共有化したい